外壁塗装の耐用年数は塗料の種類で変わる?

ある日突然、訪問販売業者の方から「外壁にヒビなどの痛みがありますよ。塗装の必要がありますね。」
なんて指摘を受けた方は多いのではないでしょうか?

「築年数から考えて、今塗替えする必要があるの?」「新築時から比べて光沢などなくなっているけど、本当に外壁を塗替える必要はあるの?」
そんなお悩みをお抱えの方も多いかと思います。

そこで今回は、外壁塗装の塗替えを考える際に押さえておくべき、「外壁塗装をいつ行ったら良いのか、という目安」や「建物を長持ちさせるためのポイント」・「塗料はどのようなものを使ったらいいのか」についてご紹介します。

 

■外壁塗装の耐用年数は塗料の種類によって異なる

・外壁塗装が必要な理由

建物は日々、雨風や紫外線、カビ・コケなどの外的要因から影響を受けています。
塗装はそのような外的要因から「建物を保護する」ためのいわば盾や鎧のような身を守るものです。
しかし、塗装も建物と同じように紫外線などの外的要因により、劣化してします。

長い年月塗装表面に紫外線やカビ・コケ、雨風などにさらされることで劣化し、次第に塗装表面が薄くなり、外壁の下地が見えるような状態になるのです。

そして、塗装表面が劣化していくと、外壁自体に次のような劣化の状態が現れてきます。

光沢がなくなる

チョーキング現象

塗膜のハガレ

ひび割れ

シーリング材が割れている・はがれている

・塗料の耐用年数

本題の外壁塗装の耐用年数の目安についてですが、耐用年数は外壁塗装に使用する塗料の種類によって大きく異なります。
そこで、外壁塗装で使われる主な塗料の耐用年数と特徴を簡単にご説明します。

(表)

種類 耐用年数目安 特長
アクリル 3~5年 種類も多く、比較的安価な塗料。他の塗料に比べ、汚れやすく耐久性に劣るが、建物の耐用年数を考えず、短期間で別の色に塗り替える場合に適している。
ウレタン 5~7年 数年前までは外壁の塗替え用として最も普及していた塗料。比較的安価で、防汚性、施工面に優れているが、耐久性が劣るため、長期的な外観維持には不向き。
シリコン 7~10年 価格と機能のバランスが良く、住宅塗装で現在もっとも多く使用されている塗料。 安価な塗料に比べて耐久性にも優れている。
ラジカル 13~15年 2012年に登場したばかりの最新塗料で、最もコストパフォーマンスが高い。チョーキング(樹脂の劣化)を抑え、塗膜の耐久性に優れている。
フッ素 10~15年 一般的な塗料の中では最高グレードの塗料。塗膜の寿命が非常に長いのが特徴。ツヤ消しが可能なため、高級感のある落ち着いた意匠を行うことができる。コストが高めで、塗膜も硬いものが多く、ひび割れしやすいため注意が必要である。
無機 10~15年 無機であるガラスを塗料に混ぜ込み、超耐久性を実現させた塗料。屋根など劣化が激しい部位によく使用され、コストが非常に高い。一般の住宅にはオーバークオリティ感があるのが短所。

 

このように塗料ごとに耐用年数や機能はまったく異なります。
また、一般的に耐用年数が高かったり、機能性に優れた塗料になればなるほど、価格も高価になる傾向にあります。
そのため、外壁の状態や周囲の環境など、ご予算などの希望に合った塗料を選択することがおすすめです。

 

■塗料の耐用年数はあくまで目安

塗装の耐用年数は、一律で同じ数値ではありません。先述した通り、使用した塗料の種類、建物に使われている外壁材や施工時の作業内容によって変動します。

・外壁材と相性の良い塗料は耐用年数も長い

塗装する外壁材が窯業系サイディングボードか、金属系サイディングボードか、モルタル壁か、ALCパネルかによって相性が異なってきます。外壁材と塗料の相性が良いほど耐用年数は長く、逆に相性が悪いと耐用年数が長くなるどころか、数年で塗膜の剥がれやひび割れが生じてしまうことも多いです。外壁材に適切な塗料を施工し、外壁を長持ちさせるためには、業者選びが大切です。
塗料の耐用年数は、雨風が多かったり海が近かったりといった立地上の環境要因で短くなることもあれば、塗装前に下地を高圧洗浄やケレン作業で、適切に処置していないなどの施工ミスが原因で急激に短くなることもあります。

・耐用年数は実際の家で試験された数値ではない!

外壁塗装の耐久年数は、壁の材質・日光の当たり具合、周りの環境などに左右されるので、まったく同じ状況の家はありません。そのため、耐用年数の正確なデータは非常に取りにくいのが現状です。
そこで、ほとんどの塗料メーカーでは「促進耐候性試験機」とよばれる、試験機を用いて、塗料の耐久性・耐用年数を検証します。促進耐候性試験とは、擬似的に太陽と雨に晒された状態を作り出し、劣化具合を確かめる機材のこと。

つまり、塗料メーカーの打ち出している耐用年数は試験機の環境下で計測した値です。実際の建物に塗られて、「検証された年数ではない」という点がポイントです。そのため、実際に外壁に塗られた場合には、記載されている耐用年数よりも早く劣化してしまう可能性があることから、あくまで目安として考えることが必要になってきます。

 

■外壁を長く保つコツ

グレードの高い塗料を使用することで耐用年数が長くなるのは間違いありませんが、より耐用年数が長くするにはどのように塗料を選ぶのか、どのような施工が重要なのかを解説していきます。

・塗装前の下地処理が重要

外壁塗装の下地処理という工程は、塗装後に施工不良を起こさないようにさまざまな作業が行われます。

(表)

作業名 作業内容
高圧洗浄 外壁表面の汚れやカビ・コケ、旧塗膜など強力な高圧洗浄機できれいに洗い落とし、外壁全体に塗料が伸びるようにする
ケレン作業 錆びや高圧洗浄でも落ちなかった旧塗膜などを、サンドペーパーやヘラなどを使いそぎ落とす
目荒らし 表面がつるつるしていてる面をあえてヤスリ等で傷をつけ、凹凸を作り塗料の剥れを防止させる
ひび割れ補修 モルタル壁やコンクリート壁などに起きた深いひび割れを塗装前にシーリング材で埋める

 

塗料がしっかり定着しなければ、どのような高級塗料でも、耐用年数を迎える前に数年で剥がれ落ちてしまいます。塗料そのもののグレードも大事なのですが、しっかりと下地処理がしてあるかどうかも耐用年数を左右する大切なことです。

・「ツヤ有り」の塗料は耐用年数が若干長い

塗料の中にはツヤあり・ツヤなしを選べる商品があり。耐用年数に関して言えばツヤありのほうが長いです。
ツヤなしの塗料は元々ツヤのある塗料に、ツヤ消し調剤を混ぜ込むことによってツヤを抑えています。このため、塗料としての性能が落ち込みます。
そもそもこのツヤが水や汚れを弾くため、ツヤのないマットな質感だと汚れが付きやすいのは想像できるでしょう。
汚れが付きやすいということは劣化を早める要因にもなります。
現在は、ツヤなしでもツヤありと同じぐらいの耐久性があるとされている商品も出ています。しかし、取扱っている業者も少ないので、こだわりがなければツヤありを選ぶことがおすすめです。

・塗料以外でも建物を長持ちさせる外壁のケア方法

実は建物を長持ちさせるのは塗料や下地処理だけではありません。外壁塗装の劣化を抑えるために、日ごろから自分でもできる簡単なケア方法がありますので、その方法をご紹介します。

-外壁周辺の手入れ
建物の北面などの日が当たりにくい面や植え込みの近くの外壁は、湿気がこもりやすいため、湿度が高くカビやコケが好む環境なので菌類などが増殖しやすいところです。外壁の近くの植え込みをこまめに刈り込み手入れすることや、物を置かないようにして、風通しをよくしておくことがポイントです。

-カビ・コケの手入れ
カビやコケは放置すると次第に外壁全体へと広がってしまいます。
カビ・コケを見つけたらすぐに洗い流すようにしましょう。対策方法は、 ホースで水をかけながら軟らかいスポンジなどでこすり、軽く水洗いするのがおすすめです。 落ちない場合は、カビ取り剤や壁専用の洗浄剤を使用してください。

小さなことですが、外壁のケアにこまめに気を遣うことで、外壁への負担を大きく減らし、塗膜の劣化スピードを遅らせることができます。
ぜひ実践してみてください!

 

■まとめ

今回のおさらいをします。

・塗装に使用される塗料の種類によって、耐用年数は異なる。

・塗料の耐用年数は、外壁材との相性や周辺環境・気象条件などで記載されている年数と異なる可能性がある。

・建物を長持ちさせるためには、外壁塗装の下地処理をしっかり行い、ツヤ有り塗料のものを選ぶ。

・外壁周辺、カビ・コケの手入れをし、風通しを良くする。

塗料の耐用年数や種類、環境による条件についてご紹介しました。
細かなケアを自分で実施することで、外壁塗装の劣化を遅らせることができます。

最後に、建物を長持ちさせるために耐用年数の高い塗料や、優れた機能を持つ塗料を使用することは大切ですが、塗料はあくまで「半」製品である、ということを覚えておいてください。
すなわち、どれだけ優れた性能を持つ塗料も実際に施工するリフォーム店や塗装店の腕次第で、技術が足りなければ1年で塗装がはがれてしまうでしょう。
ですので、信頼できる業者に依頼し、安心して暮らせるような外壁塗装をおこなってください。

渡辺塗工は新潟県新潟市を中心に外壁塗装・屋根塗装など塗装に関することならなんでも行っています。
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